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2013年酒蔵環境研究会関西支部からの報告です。

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2013年6月8日に実施した酒蔵研例会のレポートです。

酒蔵環境研究会 京都事務局 磯久五郎

酒蔵研京都支部のメンバーであり、女流義太夫・竹本友香として都をどりの舞台などで活躍されている山田さんにお願いし、今回のまちづくりネットワーク例会では、「女流義太夫の会」を開催しました。

声を用いた古典邦楽には「歌いもの」と「語りもの」の2種類があり、前者は長唄・端唄・地唄などメロディーに重きを置いた音楽。後者は浄瑠璃・浪曲など、物語に節を付け、内容を伝えることに重きを置いています。

女流義太夫というのは、浄瑠璃の一種、義太夫節を女性が語る芸能です。声で語る太夫、音で語る三味線の二人で演じるのが基本形になります。三味線には、竹本さんの舞台上の長年のパートナーである豊澤雛文さんにお越しいただきました。

演目は『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら) 渡し場の段』。今年の都をどりでも演じられた演目で、「安珍・清姫伝説」、を内容としたいわゆる「道成寺物」です。

安珍を追いかけ、日高川の渡し場まで来た清姫は、「安珍さま、いの?ぅ、いの?ぅ・・」と呼びかけた。そこに「ぃやかましいわいっ!」と粗暴な渡し守が登場する。そのやり取りの中で、安珍が許嫁では無かったと気付く。「ぇえ?、妬ましやぁ、腹立ちやぁ?」と嫉妬に狂った清姫は、大蛇に。火を吐き川へと飛び込んだ。「食い殺されては叶わじ」、渡し守はおののき逃げていった。

少女、粗暴な渡し守、大蛇とを太夫一人で語り分ける。そこに風景、転換、心情などを三味線の音で重ねていく。たった2人の演者が造り上げる鮮烈な音の世界が、観客を目撃者にする。

今回、観客にはあらかじめ台本を配布し、あらすじを説明してから浄瑠璃をして頂きました。しかし、竹本友香さんは言います。

「浄瑠璃を聞く耳を養うことが古典芸能鑑賞の一番の近道です。この耳を作れば、文楽、歌舞伎、狂言など、解説を見なくても理解出来るようになります。浄瑠璃の中でで、ストーリーも台詞も全て語られているんですから。」

なるほど、そうだと思う一方、耳作りの道はなかなかに険しい。

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